イタリアのテレビには、必ずセクシーな女性が登場します。
彼女たちはべったりと厚化粧をしています。整形している人も少なくありません。
そういった女性が美しいのかと言われれば微妙なところですが、揃いも揃ってスタイルは抜群!そしてそのスタイルの良さを強調するべく、ボディラインくっきりの衣装を身に着けています。
知性を売りにした方が良さそうなニュースのアナウンサーもバービー人形並みに厚化粧でお色気たっぷり。
お天気お姉さんなど、番組のアシスタントもノースリーブにミニスカ姿と、必要以上に露出が多いのです。
日本人からすると、イタリアでは女性が大事にされているというイメージがあります。
確かに、イタリア人にとって、「女性は全て美人」とされているようで、挨拶の際は「チャオ、ベッラ(やあ、美人さん)!」と言われます。
別にその女性を美人と思っているわけではなく、容姿に関係なくベッラというのがイタリアでは普通です。
相手がベッラか?なんて考えません。自動的にベッラと言ってしまうようにイタリア男の頭にプログラミングされているのです。
すべての女性は美しい。
だからといって、女性が尊重されているという訳ではないのがイタリア。
上で書いたように、画面に華やかさを持たせるために露出の多い女性を起用するのですが、実際は男性視聴者を獲得し、視聴率を稼ぐ。ただそれだけのための存在です。
看板広告もマットレスの宣伝なのにTバック一枚の女性が横たわっていたりします。車道にデカデカと置かれているので、目が釘付けになった男性が交通事故を起こしそうでこわいです(笑)。
女性も美しく見られることに命かけてる

女性は女性で、見た目の美しさで男性にアピールしています。イタリアの女性は日本人と比べて自立心が低く、男性に養ってもらいたい人が多いと言います。
ポルトガルで出会ったイタリア人女性たちも、夜の街に繰り出す前にシャワーを浴びてバッチリメイク。帰ってきたら顔も洗わずに眠りに就きます。
メイクはいいとして、汗やタバコの煙にまみれているであろう状態で顔も洗わずにベッドに入るというのは抵抗があります。普通に汚くない?
でも彼女たちにとっては、パッと見の美しさが重要なのであって、清潔か不潔かはそれほど問題ではないようでした。
イタリア人にとって、女性とはかくあるべき。みたいなのはけっこうあると感じます。
恋人ならセクシーであるべき。結婚相手なら料理がうまく家庭的であるべき。
という考えの人が多いように感じます。
私はあまり料理をしません。イタリア人の私のパートナーは、それを友人に愚痴っていた模様。
ある日、彼の友人から「どうして料理しないの?」と聞かれたことがあります。
「お前も毎日ママに作ってもらってるだろ!それと同じで面倒くさいからだよ!」と言い返しそうになりました。
特別料理が苦手というわけではありません。ですが、毎日3食作るのは苦痛です。
ほかにやりたいことがありますからね。
ですがイタリア人にとって、料理は女の仕事というのが根強く残っています。1日の多くを料理に費やせる人なんてほとんどいないのに。昭和の日本男児みたいな考え方ですね。
彼も、「料理が女性の仕事だなんて考え方はバカげている。自分は料理が好きだし、理想は専業主夫なんだ。」と口では言うくせに、私が料理を積極的にしないことを不満に思っているようです。
私も料理の下ごしらえはすべてやってるし、彼が出す大量の洗い物は全部私がやっているのに。
縁の下の力持ちは、何もやっていないと同義なんでしょうか。
しかも、よく知りもしない友達がよその家庭のあり方に口を出すなんて。
けっこう根に持つタイプの私は、翌年はイタリア訪問をやめました。男尊女卑が嫌で地元九州から出てきたのに、ここでもうっとうしい役割分担をさせられるなんてまっぴらです。
そう言えば、彼の両親についても、彼の父が料理をしているところは一度も見たことがありません。
コーヒーすら自分で淹れることをきっぱりと拒否。妻が淹れてくれないときはわざわざカフェテリアまで行きます。
「一度自分で淹れたら、今後ずっとそうなるから」ですって。アホくさ。
これに対しては彼も「我が父ながら情けない」と言っております。まぁね、コーヒーすら自分で淹れられない大人ってどうなの。
イタリアでは家庭科の授業もありません。「日本は小学校から男女とも料理やお裁縫を習うよ。男性だって料理くらいできなきゃね!」
と彼に言うと「先進的で素晴らしい!今後は男性も家事をするのが当たり前になっていかなくては」といたく感激していました。
私にはちっとも料理しないってキレたくせになんだコイツ。
ラザニア作るのってベシャメルソース作ってパスタ生地作って、牛肉とトマトのソース作ってって、ものすごく時間かかるのに。
「マンマはいつも作ってた」
「隣のおばさんはラザニア作りの天才だ」
とか言わないでほしい~
個人的にはこれで十分!日本の冷凍食品すごいから!
料理と言えば。
お料理番組では男性が料理人 女性は花を添える存在

イタリアでは、お料理番組が人気です。日本も似たようなものですが、毎日どこかのチャンネルでやっています。
一般家庭で、料理は女性の役割というわりには、お料理番組で実際に鍋を振るのは男性。
女性はアシスタント。衣装は当然、タイトなミニスカート。
グロスたっぷりのくちびるで味見したり、白い歯を見せてオーバーリアクションします。
お家の中で日々の料理をやるのは女性、テレビなど華やかな場で派手に鍋を振り、知識をひけらかすのは男性ということです。
料理番組の他にテレビ番組で多いのは、ゴシップニュース。パパラッチという言葉はイタリア語ですが、もう下世話な野次馬根性丸出しのニュースの多いこと。
ゴシップにしても、男性の浮気には寛容な割に、女性のそれは許さない感じもありますね。
スリランカで出合ったイタリア人の女性に、「あなたのパートナーは、あなたが一人で旅をすることに対して何も言わないの?」と聞かれました。
彼は、口では「君は自由だ。たとえ結婚しても好きなように生きてほしい。僕の所有物ではない」と言います。
それなのに私が一人旅の計画を立てていると、怒ったり、拗ねたり、泣いたり・・・。
そのことを言うと彼女は「あぁそれなら納得。だってイタリア人の男って、彼女は自分のもの!って人が多いんだもん。ヤキモチ焼かないはずがないよね。」
イタリア男めんどくせぇ・・・・。自分は綺麗な女の人とすれ違ったらガン見(チラ見ではない)するくせに。
「優しそうに見えて実はけっこう冷たいよ」って、自他共に認めるイタリア男。
「浮気は男の甲斐性!」を地で行く男尊女卑な国、イタリアです。
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