ホームレス6年目、ムクロジです。
6年ほど前に、オーストラリアで1年間ワーホリをしていたのですが、帰国して何をするか決めないままに帰国してしまいました。
全くの無収入は不安でした。また当時は「無職」って響きの悪さにどうにも耐えられない豆腐メンタルの持ち主だったため、何か仕事をせねばと焦っていました。
貯金も無く、カツカツだったため自宅目の前のファミレスでアルバイトをすることにしました。
面接で最低6ケ月は働くようにと言われました。自信はありませんでしたが一応了承して勤務開始。
私が働いていたのはJoyfulという、九州を中心に展開するファミレスチェーンです。

妹が高校生の時にガストでバイトしていたのですが、そこの店長の鬼畜のごときパワハラを受けていた (後にどっかに飛ばされたそう) ので、ガストはパスしました。
あと、ガストは片道チャリで30分近くかかるところ、Joyfulなら徒歩3分。
で、勤務初日。
あ、その前に説明と、制服渡すから一度顔出してねって言われたので行きました。
正直、ファミレスなんて誰でもできる仕事だしとタカをくくっていたのですが、事前説明が別日にあるなんて、やっぱ大手チェーンだなと思いました。
説明を受けたあと、帰り際に「初出勤日は30分前までに来てね」と言われました。
今日来た意味。
そんな不満をおくびにも出さず、初日は31分前に店に到着。
更衣室は1部屋しかなく、着いた順に着替えという。前の人がギリギリまで着替えてたら私、遅刻じゃん?
そっか、家近いし、制服を着て出勤すればいいか。それは禁止。はぁ?
徒歩3分の距離だから5分前に家を出ればいいやという計算は打ち砕かれました。
そしていよいよ勤務開始。
取りあえず言われたことをこなしているうちに終了時間がやってきました。
一応、初日だけはお声がかかるまで働いてるフリするか~と思っていたら先輩パートさんが一言。
「ウチはあがり作業っていうのがあってね、終了時間からやる仕事があんのよ。」
えぇ、なにそれ。
てか、思い出した。妹がガストで働いていた時も15分程度の「あがり作業」があったらしいことを。
「あがり作業」の内容はゴミ捨てやレジ締め、引継ぎなどです。
レジ締めをやらない時間あがりのスタッフはサッサと帰れるのかと思いきや、予定時刻を過ぎても普通に仕事を続けています。
夜の9時までアルバイトをしている女子高生がいましたが、彼女は毎日必ず30分近くサビ残していました。定時から20~25分を過ぎた頃に現場マネージャーから「あがっていいよ」と声がかかり、そこで初めて帰り支度を始めるのです。
店長時計見てないのかな?って、そんなはずありません。店長とか気付いてるんですよ。もうとっくに定時過ぎてるってこと。でも30分以内ならタダ働きさせられるから言わない。
店長があがっていいよって言ってくれるまで、スタッフは何も言わない。でも、その一言を心待ちにしています。
それが分かっているのに、30分近く放置。たとえ忙しくなくても、カトラリー拭きなんかをしながら声がかかるのを待っている女子高生。不憫です。
そんなん私がヒマな時間にやるからいいよって言ってあげたい。
ただでさえやっすい時給 (面接では ウチはけっこう高い方でしょうと言われた。どこがじゃ!))で使われてるのに、さらに30分近くもサビ残させるとか。
女子高生の30分は貴重だぞ!16で社畜教育はあんまりだ!とか心の中で叫んでいました。
一度、友達との約束があったのか、「今日は8時半であがっていいですか?」ってお願いしていたことがあります 。
副店長からOKが出たときの、やった!っていう嬉しそうな顔。可愛かったです。
で、8時半。帰るそぶりすら見せない。副店長も何も言ってあげない。私があがっていいよと言う立場ではないし、第一、あがる時間はその人が一番よく分かっているはずだ。わざわざ頼みに行ったんだもん。
9時7分前になってようやく「あがっていいよ」が聞けた。彼女は嬉しそうにお礼を言って更衣室に向かいました。
彼女はたぶん、9時頃に約束があったのでしょう。でも9時ちょうどにはどうせあがれない分かっているから、30分の時給を削って9時までにあがることにしたのです。
働き始めて数日目に彼女に聞きました。
いつもあがるのって定時より30分くらい後だよねって。サビ残だよねって。
「びっくりですよね~」って明るく返ってきました。彼女もおかしいと分かってはいたようです。時給800円は、高校生にしては高めかもしれません。でも3時間の契約なのに、30分サビ残させられるのなら、時給は安くとも、きっちり定時にあがった方が気持ちがいい。
たった30分で何を言ってる!こっちは毎日何時間サビ残してると思ってる!って声が聞こえてきそうですね。
ですが、時給で働いていると、「時間を切り売りしている」感がモロにあります。
特に好きでもない仕事をしているときは。
サビ残あるのが当たり前?サビ残は違法なんだよ。
こっちは安い時給で大事な時間と労働力を提供してあげてるのに、なぜさらにサービスしなきゃいけない?
頑張ったところでボーナスも何もない職場。時給しか報酬が無い職場で時間を切り売りしてお金を稼いでいる私にとって
30分のサビ残はありえない。
わずか2日目にして店長に抗議しました。
定時であがれないのはおかしいと。
店長「定時であがり作業まで終われるんなら定時であがっていいんだよ」
そうかそうか。簡単じゃないか。
ゴミ捨てとかをちょっと早めにやり始めればいいんだ。
とやっていると
パートのおばちゃん「通常業務を優先で。通常業務ほったらかしであがり作業やっちゃダメ」
いやだからね、定時であがれるように人数揃えてよ。できないなら次の時間帯のスタッフ増やさなきゃダメじゃん。
私が上がる時間にお客がドッと来たら私帰れないじゃん。
こんなふうに考えるのはおかしいでしょうか。日本ではおかしいかもしれません。
オーストラリアでアルバイトしていたときは、どの職場でも定時にきちんと帰れました。あと5分で定時だなって時は、何かしら5分で終わりそうな、ちょうどいい作業をさせてくれました。
定時が無い職場では、時給は1分刻みでつけてくれました。8時59分でも、やることなかったらスパっと帰るぞってなって、無駄な時間を過ごした感覚はありませんでした。
海外での経験を引き合いに出すと「はいはい、でたでた。海外では~欧米では~と言われるかもしれません。
でも、知ってほしいです。
とあるドキュメンタリー番組で、日本に看護を学びに来た、カンボジア人研修生が言いました。
「日本人は、出勤時間にはとても厳しいけど、退勤時間にはとてもルーズだ」
恥ずかしかったです。自分がサビ残させられていることに疑問を持たなかったことが。
これを書いていて思い出したことがあります。ファミレスバイトで一番腹が立ったこと。
ある日、家を出るのが遅れて、勤務開始時間の5分前に店に到着。着替えたらほんと、ちょうどギリのは自分でも分かりました。
だから焦っていたんですが、その時更衣室前の机で仕事をしていた副店長が「危ないですね~ギリギリですよ~」って言ってきたんです。
はぁ?お前いつも高校生のバイトを20分以上タダ働きさせてるくせしやがってってカッとなりました。やかましいわって頭ひっぱたきそうになりましたが無視。
話を戻してと。定時で上がらせてもらえないことが分かったので、再度店長に抗議しました。
翌日からは、同じ時間帯のパートさんが定時きっかりになると「あがってください」と言ってくれるようになりました。店長から頼まれたのでしょう。
定時上がりと引き換えに、パートさんたちからは、思いっきり嫌いオーラを出されるように。複数人が私の悪口で笑っているのを背中で聞くこともありました。
それでも、定時にあがれることが嬉しかったです。
同じ時間帯上がりのパートさんは、頼まれてもいないのに「どうせ帰ってもやることないですから~」と言いながら次の時間帯の人を手伝っていました。
手伝ってもらうパートさんも、「いつも悪いわね~、あがっていいのに~」と言いながらタダ働きを黙認。
何がやること無いだ。お前は子どもがいるだろうが。子どもの寝顔見たさに1分でも早く帰ろうとは思わないのか。
結局、その職場の雰囲気に馴染めず、2ヶ月ほどで辞めてしまった。店長からは責めるような言葉を頂きました。
働いている人たちのほとんどは、とても優しかったです。
でも、いわゆるワーキングプアの吹き溜まりみたいな職場で、ダブルワークの話とか聞くと辛かったので、辞めたときはすがすがしい気持ちになりました。
辞めるとき、1人のパートさんから「あんたここ辞めてこれからどうするの」と本気で心配されました。今までだって日給6千円くらいで、週3~4日しか働いてないのに、このあともそう変わらないような気がしました。どっちみち一生の仕事にはなりません。
今後の予定を話すと、「ああ、やることはあるのね」と安心してくれました。本当に心配してくれていたようで、サッサと辞めてしまうのが申し訳ないような気になりました。でも、実際私が辞めたからって特に誰も困らないんですよね。
罪悪感を感じる必要もないんです。
ちなみに、私が抗議した数週間後に本部から「スタッフを定時であげるように」との通達がありました。休憩室に紙が貼りだされていました。
高校生の保護者からのクレームということですが、タイミング的に私もクレームつけたと思われていたはず。どうでもいいですが。
それでも例のパートさんはサビ残頑張っていました。奴隷根性が染みついているのか、単に八方美人なのか。
私は辞めて、それからリゾバという働き方に出会ったので、もうファミレスで奴隷をやることは無いと思います。
サビ残なんて、この世から無くなればいいんだ。
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